2020(令和2)年7
著者・写真撮影:竹田美壽恵
ホームページ担当     勝 成忠
                  天王寺屋牧野家の墓

牧野純一(画家、牧野克次の長男)のお仕事と

天王寺屋牧野家のお墓(大阪)発見

                        

         
  目次

 1.牧野純一(画家、牧野克次の長男)の業績とパスポートを発見

    (1)牧野純一デザインの宮中女子の新通常服

(2)マキノ配色盤 実用新案登録證

(3) パスポートの発見

(3)・高松宮殿新築配置図(昭和1611月)

  ・高松宮殿邸内庭木配置図 (昭和1611月)HP内写真あり

  ・高松宮殿邸建築設計図 

牧野純一の経歴や家族についてはHP内「宮嶋八藏妻の家系」に掲載中

  2.天王寺屋牧野家の大阪のお墓発見

1.

(1)牧野純一デザインの宮中女子の新通常服を着られた皇后様

 牧野純一(牧野克次の長男)のスクラップブックに「宮中女子の新通常服」についての新聞記事がありました。それによると宮中における女子の通常服は従来袿袴(うちぎばかま)と洋式(ローブモンタント)の2種であった。いずれも終戦後で資材薄の為新調が困難になって来たのと現在の生活にもっと適応した様式のものが要求されてきたので、宮内庁では洋服のように流行に左右されず質実簡素で、婦人服装の伝統にもとづき、しかも活動的な様式について考究した結果「図」のような女子新通常服を決定、ご裁可を仰ぎ皇室令第八号として20日附けの官報で公布、即日施行された。

    

   昭和天皇と相模ダムをご視察時に着用された良子皇后様  昭和22年(1947年)

京都府立図書館所蔵 アサヒグラフ125日号

   牧野純一デザインの宮中女子の新通常服は1946年(昭和21年)113日皇居前広場で行われた歴史的な日本国憲法公布記念祝賀都民大会の時にも良子皇后様は、牧野純一がデザインした宮中女子の新通常服を着用されています。

 

 宮中女子の新通常服を紹介した当時の新聞 

  牧野純一(画家・牧野克次の長男)のスクラップ帳 遺品 

宮嶋晃所蔵→京都工芸繊維大学美術工芸資料館寄贈・撮影 竹田美壽惠

  

 

牧野純一が残していた宮中女子の新通常服デザイン画  

牧野純一(画家・牧野克次の長男)遺品

宮嶋晃所蔵→京都工芸繊維大学美術工芸資料館寄贈・撮影 竹田美壽惠

    宮中女子の新通常服デザイン画 遺品の一部

  

    宮中女子の新通常服デザイン画 遺品の一部

                              

    牧野純一遺品          牧野純一遺品

(2)実用新案登録證

・マキノ配色盤 牧野純一・特許局長官 石井銀彌より

 実用新案第254716號  牧野純一遺品 宮嶋晃所蔵→京都工芸大学寄贈

昭和1378

登録資料一式あり     ・撮影 竹田美壽恵

・関連でカセインカードが遺されている。優良水性塗料 関西ペイントと書かれていた。

5㎝×横12㎝×厚さ1.7

・「祖母よりマキノ配色盤で実用新案登録證の事は聞きました。カラ―印刷の黎明期ですので、当時としては最新発明だったのかもしれません。カラ―印刷には三原色の割合を正確に知ることが必須ですもんね。」宮嶋晃談

 

  (3)牧野純一洋画研究の為北米合衆国とカナダへ留学時のパスポート 

①大正9年(1920227日  日本帝国海外施券 第4633663

 所持者名と住所:牧野克次・大阪市北区臼屋町(現在の天満1丁目)43番地

 牧野純一遺品 (26㎝×横19.8)

宮嶋晃所蔵→京都工芸繊維大学寄贈・撮影 竹田美壽恵

        

日本帝国海外施券 牧野純一遺品    宮嶋晃所蔵  ・撮影 竹田美壽恵

 

日本帝国海外施券 牧野純一遺品    宮嶋晃所蔵  ・撮影 竹田美壽恵

日本帝国海外施券 牧野純一遺品    宮嶋晃所蔵  ・撮影 竹田美壽恵

 

 

 

2. 天王寺屋 牧野家の墓所

2020(令和2)年7月

著者 写真撮影:竹田美壽恵・HP担当:勝 成忠

1.京都 東山真如堂 法輪院管理  (現在のお墓)

        

  

大正659日牧野克次の妻楠枝京都に於いて亡去,

後、真如堂墓地に納骨(牧野氏墓地)

2.大阪北区 妙福寺 天王寺屋牧野家の墓があった大阪のお寺

  牧野克次作成の過去帳からお寺の住所がわかりました。

  

 現在の妙福寺       摂津国西成郡北大組第8区 

 大阪市北区末広町1-5                   末広町栓量山 妙福寺境内絵図面 28

  撮影H,28.10.21 竹田美壽恵      昔の妙福寺 400年の歴史があるとの事

                      撮影H,28.10.28 竹田美壽恵 

 

妙福寺は400年の歴史があり、天王寺屋牧野家だけでなく大文字屋、天満屋、松葉屋、淡路屋、堺屋、 金屋、京屋、鍋屋と大阪の大商人のお墓があったお寺でした。

天王寺屋牧野家の過去帳の中にも鍋屋さんや淡路屋さんと姻戚関係が見られました。

 

牧野克次作成の過去帳と妙福寺様の過去帳、墓地細見を突合させて戴きました。

(1)牧野楠枝(牧野克次の妻)の父 牧野平右衛門 戒名 静遠院宗達日深居士

         

 妙福寺第5号 新寂法号記   牧野平右衛門 戒名 静遠院宗達日深居士

 撮影H,28.10.28 竹田美壽恵  牧野楠枝の父

1895年(明治28年)6月4日 70歳没

                妙福寺第5号 新寂法号記(M5M35年)

                                                          撮影H,28.10.28 竹田美壽恵

(2)牧野楠枝(牧野克次の妻)の母  大江タケ 戒名 静光院妙遠日理信女             

 大江タケ 戒名 静光院妙遠日理信女 1898年(M31.9.872歳没

牧野平右衛門 戒名 静遠院宗達日深居士の妻 牧野楠枝の母

妙福寺第5号 新寂法号記(M5M35年)に記載・撮影H,28.10.28 竹田美壽恵

牧野克次の過去帳大江タケの父大江半次郎は大江廣元の末裔と記され、大江タケは

大江家を建てる為姓のみ公唱していると記されていた。

(3)牧野楠枝(牧野克次の妻)の祖母牧野はる 戒名 善静妙諦日壽 先代平右衛門の妻

牧野はる 戒名 善静妙諦日壽   1883年(M16730日 87歳没

先代平右衛門の妻  妙福寺第5号 新寂法号記(M5~M35年)に記載あり

願宗孫兵衛の女(娘) 牧野楠枝の祖母

 撮影H,28.10.28 竹田美壽恵

 

妙福寺 第6号 新寂法号記(M36年~昭和4年)

撮影H,28.10.28 竹田美壽恵

 

 

(4)牧野克次の妻 牧野楠枝  戒名 妙音院天堂雪香大姉

牧野楠枝  戒名 妙音院天堂雪香大姉

1917年(大正6年)59日午前3時 63歳没

牧野克次の妻  

妙福寺 第6号 新寂法号記(M36年~昭和4年)に記載あり

 現在は、真如堂にお墓がある

  撮影H,28.10.28 竹田美壽恵

                   

北区妙福寺の墓地細見                          北区妙福寺の墓地(妙福寺の裏側)

上記2枚 撮影・平成28.10.21  竹田美壽恵

 

 

 

(5)牧野楠枝(牧野克次の妻)の曽祖父・天王寺屋 牧野孫兵衛 戒名 釋 願宗

 

  天王寺屋 牧野孫兵衛 戒名 釋 願宗  北区妙福寺の墓地細見より

1763年 (宝暦13年)生  1857年(安政4年)529日 94歳没

牧野家中奥の祖  八軒家にては伊勢屋と称すと牧野克次の過去帳にある

克次の過去帳に墓は大阪市南区寺町と北区寺町妙福寺にあると書かれている。

撮影・平成28.10.21  竹田美壽恵   牧野楠枝の曽祖父

  

北区妙福寺の過去帳  天保元年から記載されている

撮影・平成28.10.28  竹田美壽恵

(6)牧野楠枝(牧野克次の妻)の祖父・天王寺屋牧野平右衛門 戒名 善哉誠諦信士

天王寺屋牧野平右衛門 戒名 善哉誠諦信士 (北区妙福寺の天保元年からの過去帳)

余白に619人供 立合正善院と記載されている

1851年(嘉永4年)222日没 63歳   牧野楠枝の祖父

釋 足本 という戒名を東本願寺より贈られたと、牧野克次の過去帳に記載されている 

撮影・平成28.10.28  竹田美壽恵

 

他牧野克次の過去帳に記されていた牧野一族のお名前がお寺の過去帳に書かれていました。

 

わかった事

牧野家の現在の墓は大正6年に牧野克次の妻楠枝が逝去時、京都の東山真如堂に納骨された。 
  ②その以前の牧野家の墓は、大阪市北区末広町1-5にある妙福寺にあった。

妙福寺は400年の歴史のある古いお寺だった。             

牧野楠枝(牧野克次の妻)の曽祖父天王寺屋 牧野孫兵衛 戒名 釋 願宗  

北区妙福寺の墓地細見に名前が書かれている。牧野克次の過去帳に

1763年 (宝暦13年)生  1857年(安政4年)529日 94歳没

牧野家中奥の祖八軒家にては伊勢屋と称すとあり釋 願宗の墓は大阪市南区寺町と北区寺町妙福寺にあると書かれている。このことにより天王寺屋牧野家は北区寺町の妙福寺以外に大阪市南区寺町の方にも墓があったと考えられる。

  

 

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